本年1月25日に開催された第88回社会保障審議会介護給付費分科会において諮問が行われ、2012年度の介護報酬の内容が明らかになりました。本年は6年ぶりの診療報酬と同時改定の年に当たります。東京都理学療法士会では、2月16日に今回の介護報酬改定について東京都大田区にある東京工科大学で情報整理と意見交換会を開催しました。
当日は、東京都理学療法士会・介護報酬部部長の友清直樹(山王リハビリ・クリニック係長)が講演を行いました。今回の介護報酬改定で、機能訓練や通所リハビリテーションなどの変更、あるいは理学療法士が関わるサービスについて、友清は、「現時点までの情報をまとめながら、ポイントを紹介していきます。本日の会を今後の運営に役立てていただければと思います」とあいさつし、説明に入りました。

toshi今回の報酬改定で「基本的な視点」として、打ち出しているポイントは3つ。「地域包括ケアシステムの基盤強化」「医療と介護の役割分担・連携強化」「認知症にふさわしいサービスの提供」の3点です。この「視点」からも読み取れるように、医療保険から介護保険への流れが強調されています。そうする中で、リハビリテーション(以下、リハビリ)を提供できる体制について、介護保険で評価される内容になりました。
理学療法士は介護保険の各サービスで、ますます重要な役割を担ってきています。一例をあげると、機能訓練加算について見直しが行われ、ここでは理学療法士等セラピストの評価をきちんとされるようになりました(「理学療法士等が機能訓練を適切に実施」機能訓練加算Ⅱ=50単位)。また、これまで老健だけに認められていた、理学療法士等が利用者宅を訪問し、診察、運動機能検査などを行い通所リハビリ計画及び見直しを行った場合の評価が、ほかの事業所についても可能になりました(550単位/月1回)。
訪問リハビリについては、従来と同様に305単位ですが、訪問介護事業所との連携に対する評価として、サービス担当責任者と連携した場合に、300単位が加算されることになりました(新設)。このように医療・介護の連携については、今まで以上に強く求められていきます。
このほかにもリハビリテーションについては、いくつかのサービスについて加算や新規が認められました。これらの評価は、居宅での介護を可能な限り継続していくべきだという国の基本方針から、リハビリを積極的に活用していく姿勢の表れとも言えます。

toshi2講演後には、訪問リハビリ事業所、訪問看護ステーション、老健などさまざまな立場の事業所から質問や意見が出され、活発な討議が行われました。今回の介護報酬改定が診療報酬と同時改定であることとも大きく関係しています。医療報酬部部長の千葉哲也氏(玉川病院)からは、診療報酬改定の動きについて説明がありました。

 

yamaguhiこの会には、民主党の山口和之衆議院議員も参加しました。山口代議士は、「診療報酬を下げようという意見があるが、医療費は国家としての投資に当たる。中でもリハビリをしっかりやれば入院期間が短くなり健康寿命も延びる。報酬は上げるべきと国会では話しています」と述べました。

今後、在宅に関わる医療・介護を進める上で、多職種の協働は欠かせません。理学療法士がリハビリからの視点でリーダーシップを発揮し、自立支援をすすめる役割を果たす役割はますます大きくなっていくことになるでしょう。